一般的にコモディティ化とは、独自性に欠ける状態で他と差別化出来ていない事です。
ITの進化によって情報の入手範囲が大きく拡大し、購入販路も沢山になりました。
例えば水2ℓを購入するとしたら、20年前なら近所のスーパーでしか買っていなかったのに、現在はAmazonをはじめ多くのお店から選択して購入するようになりました。
私にとって水の種類はあまりこだわりません。超硬水は嫌いますが「いろはす」でも「天然水」でもどちらでも良くて、購入する際の判断基準は「価格」と「納期」と「支払い方法」などです。
「水」という商品自体、他の商品と味で差別化することは難しく、パッケージのデザインによるイメージ、大きさ形状などの機能性、ウォーターサーバーなど利便性などをよって消費者に訴求している状況です。
水源地から消費者までダイレクトに届いているわけではなく、間にメーカーや小売店があります。
メーカーは消費者に選んでもらう前に小売店に選んでもらう必要があり、小売店がメーカーを選ぶ判断基準は「仕入れ価格」がとても大きなウェイトを占めるのです。
そのメーカーだから提供できる「水」というのは非常に難しく、味や容器を加工すればするほど消費者が求める「自然」から離れていくというジレンマも付きまとうからでしょうか。
そのため、「水」という商材で他社と大きく差別化して大きな利益を生み出すのは極めて困難だと言えます。
このようにITの進化によりEC販路が浸透してくると、消費者と販売側(メーカー、生産者、Web運営会社、小売店)との力関係が逆転し、消費者のほうが強い(選択できる)側になりました。
わたしたちプロカメラマンも、正にコモディティの壁にぶつかっています。
20年前はフィルムの時代で、写真を撮影できるだけで重宝されてきました。露出や感度の知識がなければフィルムが無駄になるため、プロに任せたほうが良いという選択肢になっていました。
しかしデジタルの進化によってフィルムが無くなり、デジタル保存となり失敗してもコストに影響しないため、素人でも多くの練習ができるようになったのです。
しかもオート機能の進化は、ボタンさえ押せば誰でもがそれなりの写真を撮影できるようになり、プロカメラマンの価値が急降下しました。
わたしたちは完全にコモディティ化し、これからは低料金で戦うしかないのだろうか。
わたしたちだからこそ出来る事はなにか。
消費者が本当に求めている撮影とはなにか。
どこにわたしたちの価値があるのか。
実はこのサービスを提供しながらも、わたしたちは将来のカメラマンの価値をまだ探している途中なのです。